2024-02-27
病気やケガなど、さまざま事情によって生活が困窮している方について、最低限度の生活を保障する制度として生活保護があります。
生活保護の受給要件は細かく定められており、不動産を所有していれば売却指導を受けることが一般的です。
しかし例外的に、マイホームに住み続けることが可能なケースもあります。
今回は、生活保護を受給する際の不動産の取り扱いについて解説します。
名古屋市(天白区、緑区、南区)に不動産をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてください。
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生活保護とは、生活に困窮している方に対して、最低限度の生活を保障するとともに自立の助長を図る制度のことです。
しかし、生活に困窮しているからといって、直ちに生活保護を受給できるわけではありません。
受給要件は多岐にわたり、次のように定められています。
生活保護は、同一住所・同一生計の世帯単位に対しておこなわれます。
そして生活保護費は、厚生労働省が定める最低生活費(支給額)から、収入を差し引いた金額が支給の対象です。
このときの保護費は、居住地や世帯の構成によって異なります。
たとえば保護費が15万円で、収入が5万円あるときは、差額の10万円が支給されます。
生活保護を受給する前には、利用できる資産は売却し生活費に充てることを求められます。
利用できると判断される資産には、おもに以下のものがあります。
生活保護の受給にあたり不動産売却が求められるのも、この資産活用の要件が根拠となっています。
働ける能力と就業可能な環境があるのに働いていない場合には、生活保護の対象になりません。
もちろん高齢や病気などが理由で働けないと判断されれば、能力活用の要件を満たしているために生活保護の受給対象です。
民法では、直系血族および兄弟姉妹を扶養義務者と規定しています。
そのため扶養義務者による扶養や扶助は、生活保護においても優先しておこなわれるものと規定されています。
たとえば両親や兄弟姉妹か仕送りを受けていれば、仕送りは収入として扱われ、その分だけ保護費も減額の対象です。
なお、扶養義務者による扶養や扶助は生活保護の必須要件ではありません。
扶養義務者が援助を断ったとしても、生活保護を申請することは可能です。
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前項で解説した資産活用の要件にあるとおり、生活保護の受給にあたっては不動産の売却を求められます。
ただし、マイホーム(マンションや一戸建てなど)については、引き続き所有できる場合があります。
しかし、すべてのマイホームが所有を認められるわけではありません。
処分価値が利用価値と比較し、著しく大きいと認められると、売却を求められる可能性が高いでしょう。
具体的には、生活保護の受給額(10年分)が、現在の売却価格を上回っているようなケースが該当します。
なお、不動産の所有が認められるかどうかは、その地域の持ち家状況や世帯の事情などで総合的に判断されます。
売却価格が10年分の受給額を上回っているからといって、直ちに不動産売却になるわけではありません。
事業用の建物や田畑、山林など、生活に必要な事業のための不動産は、所有が認められています。
ただしこれらの不動産についても、資産価値が著しく大きいときは売却処分を求められるでしょう。
また、オーナーとして所有している賃貸物件についても、3年以内の家賃合計が売却価格よりも高いときには、所有し続けることが可能です。
マイホームであっても、住宅ローンを返済中の場合には不動産売却しなければなりません。
生活保護費で住宅ローンを返済することは、税金により個人の資産形成をおこなうことになるためです。
ただし、返済期間が短く返済額も少ないときには、住宅ローンを返済中であっても所有を認められるケースがあります。
そして、住宅に対して土地の面積が極端に大きいときは、土地の一部を分筆して売却処分を求められることがあります。
リバースモーゲージとは、マイホームを担保にして生活資金の融資を受けられる仕組みのことです。
借入期間中は利息のみを返済し、契約者が亡くなった際にマイホームを売却して、元金を一括返済します。
契約者の死亡後に不動産売却することが前提の融資なので、資金の用途も老後の生活資金や医療・介護費用に限定されているのが特徴です。
高齢者の場合は、生活保護よりもリバースモーゲージが優先される傾向にあります。
そこで、所有するマイホームがリバースモーゲージの対象であるかどうかを確認すると良いでしょう。
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生活保護を受給するため不動産売却することになっても、マイホームに住み続ける方法があります。
リースバックとは、マイホームを売却したあとに、賃貸物件として住み続ける仕組みのことです。
不動産を所有している状態ではなくなるため、生活保護の受給要件を満たせるようになります。
また、持ち家ではないため固定資産税を課せられることもなくなり、住宅にかかるコストを抑えられる可能性もあるでしょう。
さらに買戻特約を付帯していれば、将来的に買い戻すことも可能です。
リースバックのリース料(家賃)は、売却価格に基づいて決定します。
そして年間のリース料は、売却価格の10%前後が目安です。
そのため、売却価格が高いほど月々のリース料も高額になる傾向にあります。
リース料が高すぎると、最低限度の生活を上回ると判断され、売却後も住み続けられない可能性もあるでしょう。
また、売却益を得たとき(売却金で住宅ローンを完済したうえで、差額が手元に残っているとき)も、手元に資金が残っている間は生活保護を受給できません。
そこで、リースバックによる不動産売却を検討しているときは、福祉事務所へ事前に相談するのがおすすめです。
リースバックにより不動産売却したあとも生活保護を受給するためには、リース料と売却益のバランスが重要となります。
そのため不動産会社に生活保護を受給したい旨を説明し、リース料と売却益に関する交渉を進めるのがポイントです。
また住宅ローンが残っているときは、債権者である金融機関にも相談したうえで、リースバックによる売却の理解を得るようにしましょう。
債権者である金融機関の同意がなければ、住宅ローンの残る不動産は売却できません。
金融機関との交渉をスムーズに進めるためにも、売却を依頼する不動産会社に立ち会ってもらうのもおすすめです。
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生活保護を受給する際の、不動産売却のポイントを解説しました。
受給のための要件を満たしていれば、マイホームを所有し続けられる場合があります。
不動産売却が必要なケースでも、リースバックを活用すればマイホームに住み続けることも可能です。
所有する不動産の条件によって対処方法は異なるので、不動産会社と相談しながら適否を判断するとよいでしょう。
私たち「ハウスドゥ天白野並」は、名古屋市(天白区、緑区、南区)で価格査定の依頼を承っております。
生活保護受給のためリースバックを検討中の方も、お気軽にご相談ください。