2024-01-18
相続では、被相続人の財産を、平等かつスムーズにわけるのが理想です。
分割方法は複数あるため、一般的には財産の状況や、相続人同士の関係性などにより決定します。
今回はそんな遺産分割の方法のひとつ「代償分割」をテーマに、メリットとデメリット、遺産分割協議書の書き方や相続税の計算方法を解説します。
名古屋市天白区、緑区、南区で、不動産を相続する予定のある方は、ぜひ参考になさってください。
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まずは、相続における代償分割とはなにか、ほかの遺産分割の方法とともに解説します。
代償分割とは、相続人の誰かが特定の遺産を取得し、ほかの方に代償金や代償財産を渡す方法です。
被相続人と同居していた方が、不動産の取得を強く希望している場合や、実家の事業(事業用不動産)を継承する場合などに用いられます。
たとえば、財産が時価3,000万円の土地のみで、相続人がAさん・Bさん・Cさんの3人だったとしましょう。
Aさんが土地を取得する場合、BさんとCさんにそれぞれ1,000万円ずつ渡します。
代償分割とは、財産を相続しなかった方や少なく受け取った方に対して現金などを支払い、平等になるように調整する方法です。
相続では、代償分割以外に下記のわけ方があります。
現物分割とは、財産の性質を変えずにそのまま取得することです。
財産が土地と自動車、現金で、相続人がAさん・Bさん・Cさんの3人だったケースで考えてみます。
この場合、Aさんが土地、Bさんが自動車、Cさんが現金をそれぞれ取得するのが現物分割です。
現物分割は一般的に、財産の種類が多く、全員が何かしらの財産を取得できる際に用いられます。
換価分割とは、相続した財産を売却し、売却金をわける方法です。
現金化によって1円単位で分割できるため、公平性を保てます。
相続財産のなかに不動産が含まれている場合、揉めてしまうケースも少なくありません。
土地や建物は、物理的に分割が困難な財産だからです。
スムーズに相続したい場合や、不動産の取得を誰も望まない場合、換価分割が用いられることがあります。
共有分割とは、ひとつの不動産を複数人で共有することです。
それぞれが持分を取得し、共有で所有することを指します。
一見平等に見えるものの、相続が繰り返されるたびに相続人が増え、売却や活用する際に手間や時間がかかります。
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続いて、相続における代償分割のメリットとデメリットを解説します。
メリットとしてまず挙げられるのが、不動産を売却せずに済むことです。
換価分割で思い入れのある実家などを売却すると、大切な財産を手放すことになります。
不動産の場合、資産価値が上がる可能性もあり、将来得られるであろう利益も受け取れなくなります。
代償分割なら、次の世代に不動産を残せるのがメリットです。
共有名義になるのを防げるのも、大きなメリットです。
先述したとおり、不動産の共有は将来的に大きなリスクが生じます。
たとえば、対象の不動産を売却したいとき、共有者全員の同意を得なくてはなりません。
遠い親戚に会いにいき、話合いをしなければならないケースもあるでしょう。
代償分割なら単独名義で取得できるので、共有状態を避けられるのがメリットです。
公平性を保ちやすいことも、メリットのひとつです。
代償金や代償財産の支払いにより、不足分を調整できるため、不満が生じにくくなります。
不満が生じなければトラブルも起きにくくなり、スムーズに相続を進められるでしょう。
デメリットとしてまず挙げられるのが、評価方法を巡り、トラブルになる可能性があることです。
代償分割を用いる場合、不動産を評価し、代償金や代償財産の金額を決めることになります。
評価方法は複数あり、どれを用いるかで評価額が異なります。
一般的には、代償金を支払う側は低く評価できる方法を、受け取る側は高く評価できる方法を希望するでしょう。
評価額が一律でないがゆえに、トラブルになりやすいのがデメリットです。
不動産を取得する方の資金力が必要な点も、デメリットのひとつです。
代償金や代償財産を支払えないと、そもそも代償分割は利用できません。
不動産の評価額が高いほど、支払う代償金や代償財産も多くなるため、十分な資金力が必要になります。
代償分割を予定している場合は、生前のうちに生命保険に加入し、保険金を充当することなども検討なさってください。
また、相続では相続税の支払いも必要です。
相続税は、原則現金での一括納付となるため、代償金と相続税を支払うための資金を準備することになります。
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最後に、代償分割の遺産分割協議書の書き方や、相続税の課税価格について解説します。
遺産分割協議とは、誰がどの財産をどのくらいの割合で取得するか、相続人全員で話合うことです。
その内容をまとめた書類を、遺産分割協議書と呼びます。
代償分割以外の遺産相続でも、遺産分割協議書を作成するのが一般的です。
しかし、代償分割の際は書き方に注意しなければなりません。
代償分割では、代償分割する旨と代償金や代償財産の受け渡しがあることを、遺産分割協議書に記載しなければなりません。
記載されていないと、贈与と見なされ贈与税が課税される可能性があるからです。
代償金の金額や支払い日も、忘れずに記載します。
また、ほかの分割方法と同じように、相続する不動産の所在地、地目や構造なども記載します。
被相続人と相続人の氏名と住所、相続人の捺印(実印)も必要です。
代償分割で財産をわけた場合、代償金の受け渡しに対しても相続税が関与します。
代償金を支払った方と、受け取った方の課税価格の計算方法は下記のとおりです。
たとえば、相続税評価額4,000万円の土地をAさんが取得し、Bさんに代償金2,000万円を支払ったとします。
相続財産はひとつの土地のみです。
この場合、Aさんの課税価格は「4,000万円-2,000万円=2,000万円」となります。
Bさんは受け取った代償金のみの、2,000万円が相続税の課税価格です。
だだし、どの評価方法を用いるかで課税価格は異なります。
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代償分割とは、不動産を取得した方が少なく受け取った方に対して不足分を支払い、調整することです。
公平性を保てたり、共有名義になることを防げるといったさまざまなメリットが生じます。
その反面、評価方法を巡るトラブルや、代償金を支払う資力が必要といった懸念点もあります。
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