2024-01-05
住む予定のない空き家を相続した場合に、どのように活用すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
空き家の活用方法のひとつに「住宅セーフティネット制度」の利用があります。
この記事では住宅セーフティネット制度とはなにか、メリットや注意点、登録方法などを解説します。
名古屋市天白区や緑区、南区で空き家を所有しており、活用方法にお困りの方はぜひ参考になさってください。
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目次
活用予定のない空き家は早めに手放すのが望ましいですが、売却せずに残しておきたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
このような場合に、住宅セーフティネット制度を利用して、空き家を有効活用するという選択肢があります。
まずは、住宅セーフティネットの概要から確認していきましょう。
住宅セーフティネット制度とは、経済的に困窮している方や住宅を確保しづらい方に対して、最低限の安全を保障する社会的施策のことです。
空き家の増加が社会問題になっているにも関わらず、住まいの確保にお困りの方も多くいらっしゃいます。
たとえば低所得者は家賃滞納のリスク、高齢者は孤独死のリスクが懸念されるとして、物件の貸し出しを躊躇するオーナーも少なくありません。
住宅の確保が難しい方を「住宅確保要配慮者」と呼び、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅をセーフティネット住宅といいます。
セーフティネット住宅は戦後復興期から存在しますが、当時は低所得者向けの公営住宅制度が基準となっていました。
しかし、住宅を借りたくても借りられない方や空き家が増えてきたことから、政府は2017年10月に新たな制度を創設します。
それが現在の「住宅セーフティネット制度」であり、この制度は以下の3点の要素から成り立っています。
空き家の所有者は住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として、都道府県や政令市、中核市に物件を登録します。
登録された物件の情報は幅広く提供され、その情報を見た住宅確保要配慮者の方が入居を申し込む仕組みです。
借主と貸主の不安要素を排除し、マッチング促進に向けた仕組みを整備しているのが特徴といえるでしょう。
住宅確保要配慮者の対象となるのは、以下のような方々です。
低所得者の対象となるのは、公営住宅法の規定により月収が15万8,000円以下の世帯です。
また子育て世帯については、基本的に18歳未満の子どもがいるご家庭が対象となっています。
子どもが18歳を迎える年の12月31日までは制度を利用することが可能です。
さらに上記に加えて、外国人やDV被害者、犯罪被害者、生活困窮者なども制度の対象とされています。
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空き家をセーフティネット住宅として賃貸するには、国が運営する「セーフティネット住宅の情報提供システム」への登録が必要です。
登録方法には、要配慮者のみが入居可能な「専用住宅」と、要配慮者以外でも入居可能な「登録住宅」の2種類があり、貸主が自由に選択できます。
ここからは、空き家をセーフティネット住宅として登録する方法や登録基準について解説します。
空き家をセーフティネット住宅として登録する手順は以下のとおりです。
セーフティネット住宅の情報提供システムに登録するには、都道府県が定める基準を満たさなければなりません。
都道府県によって独自の基準が設けられている場合があるため、まずは登録窓口で詳細を確認しておきましょう。
基準を満たせそうであれば、セーフティネット住宅の情報提供システムに必要事項を記入してアカウント登録をします。
アカウント登録が済んだら物件や貸主の情報などを入力して、整合性を確認してから入力情報の情報確定をおこなってください。
情報が確定すると登録申請書が作成され、都道府県や政令市、中核市等の登録窓口に電子申請されます。
もし申請内容に不備などがあれば登録窓口より連絡が入るため、必要であれば訂正して再提出しましょう。
無事審査に通過したら空き家の情報が公開され、空き家をセーフティネット住宅として賃貸できるようになります。
登録基準は都道府県によって異なることもありますが、おもな条件として以下の2点が挙げられます。
セーフティネット住宅に登録できる物件は、現行の新耐震基準であることが条件とされています。
新耐震基準とは、震度6強~7程度の大地震でも建物が倒壊しないように定められた基準のことです。
一方で旧耐震基準は、震度5程度の中規模地震で建物の崩壊を避けることに重点が置かれていました。
新耐震基準の施工日が1981年6月1日なので、それ以前に建築確認された物件は旧耐震基準に該当します。
ただし、1981年6月以前に建築された住宅であっても、書面などで耐震基準を満たすことを証明できれば登録は可能です。
また、住戸の床面積が25㎡以上必要であり、狭めのワンルームなどは登録できないためご注意ください。
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最後に、住宅セーフティネット制度を利用して空き家を活用する際のメリットと注意点を解説します。
住宅セーフティネット制度を利用すると、物件を改修する際に補助が受けられます。
バリアフリー整備や間取り変更など、居住支援協議会などが必要と認める工事が補助の対象です。
改修工事には多額の費用が必要となるため、補助を受けられる点はメリットとなるでしょう。
また、入居者への家賃補助や手厚いサポートがあるため、入居者を確保しやすい点も魅力の1つです。
家補助の金額は自治体によって異なりますが、月に数万円の補助が出る地域もあります。
家賃補助により毎月の生活費を軽減できるとなれば、入居に前向きになる借主も多いでしょう。
住宅セーフティネット制度を利用する際は、以下の2点にご注意ください。
改修費の補助や入居者に対する家賃補助を受けられるのは、要配慮者のみが入居可能な「専用住宅」に限られます。
要配慮者以外の入居が可能な「登録住宅」は、これらの補助を受けられないためご注意ください。
また改修費の補助を受けた場合は、10年間管理運営を続けなければなりません。
改修後すぐに売却する予定の方は、補助の対象外となる点に注意しましょう。
さらに自治体によっては補助制度を導入していないケースもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
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セーフティネット住宅とは、低所得者や高齢者など住宅確保が難しい方の入居を拒まないとする賃貸物件のことです。
専用住宅として登録すれば、改修費の補助を受けられるだけでなく、家賃補助により入居者を確保しやすいなどのメリットがあります。
活用予定のない空き家は早めに手放すのが望ましいですが、売却したくない方はセーフティネット住宅としての活用を検討してはいかがでしょうか。
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