2024-08-13
土地や建物を購入した際には、その取得者に対して「不動産取得税」が課されます。
では、相続で取得した場合はどうなるのでしょうか。
今回は、不動産取得税とはどのようなものなのか、相続時に課される事例や、税金を軽減するための対策について解説します。
名古屋市天白区、緑区、南区を中心としたエリアで、不動産の相続を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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不動産を購入によって取得した際には、さまざまな税金が発生しますが、不動産取得税もそのうちの1つです。
まずは、不動産取得税とはどのような税金なのか、基本的なところから解説します。
不動産取得税とは、不動産の所有権を取得した際に、その所有者に対して一度だけ課される地方税です。
取得方法が有償であっても無償であっても、また登記の有無に関係なく、不動産を取得した方は納税しなければなりません。
税額は、取得した不動産の課税標準額に4%(本則)を乗じて計算されます。
ただし、令和9年3月31日までに取得したものについては、特例により税率3%です。
なお、課税標準額とは、固定資産課税台帳に登録されている価格です。
不動産の購入価格や、建築費ではありません。
不動産取得税の課税の対象となるのは、以下のような要因で取得したケースです。
なお、改築については、課税標準額が増加した場合に対象となります。
また、先述のとおり、不動産取得税は、登記の有無に関係なく発生します。
したがって、不動産取得税が発生する時期は、登記手続きをおこなったときではなく、不動産の所有権を取得したときです。
不動産取得税の課税対象となるもののなかに、相続による取得は含まれていません。
つまり、相続した土地や建物については、不動産取得税は課されないということです。
相続とは、被相続人の財産に対するすべての権利や義務を、特定の方が引き継ぐことをいいます。
売買や贈与とは異なり、相続の場合は所有権の取得ではなく、形式的な移動であるとみなされるのです。
ただし、相続発生時の移動であっても、不動産取得税が課されるケースもあります。
これについては、次章で解説します。
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相続で土地や建物を取得した場合は、不動産取得税の課税対象外であることを前章で解説しましたが、例外もあります。
相続発生時の取得で不動産取得税が課されるのは、以下の3つのケースです。
上記の事例について、順番に解説します。
死因贈与とは、贈与者が亡くなると贈与の効力が生じる「贈与契約」の一種です。
被相続人が亡くなったときに遺言で財産を引き継がせる「遺贈」と似ていますが、その性質が異なります。
遺贈は、被相続人が、贈与を受け取る方を一方的に決めて財産を引き継がせることをいいます。
しかし、死因贈与は、被相続人と贈与を受け取る方が生前に話し合って、契約を結ぶ契約行為です。
つまり、「相続」ではなく「贈与」です。
先述のように、「贈与」は不動産取得税の対象になります。
被相続人の財産を相続人に引き継がせる場合は、それが法定相続分であっても、遺言によるものであっても、「相続」であるため、不動産取得税は課されません。
ただし、遺贈の場合、その種類によっては、不動産取得税が課されます。
遺贈には、以下の2種類があります。
特定遺贈
特定遺贈とは、財産を具体的に指定して譲る遺贈です。
たとえば、「預貯金100万円を孫に譲る」と遺言した場合が、これにあたります。
包括遺贈
包括遺贈とは、財産の全部または一部を割合のみ指定して譲る遺贈です。
どの財産を、だれに譲るといった具体的な指定はありません。
法定相続人以外の第三者が不動産を取得する場合は、不動産取得税が課されます。
包括遺贈であれば、法定相続人かどうかに関係なく、課税されません。
相続時精算課税制度とは、2,500万円までの生前贈与に対して贈与税が非課税になり、贈与した方が亡くなった際に生前贈与の分も含めて相続税が課されるという制度です。
この場合、非課税枠内であれば、被相続人が生前中におこなった贈与に対する贈与税は非課税になりますが、不動産取得税は課されます。
つまり、この制度によって不動産を引き継いだ場合、贈与税の対策にはなっても、相続税の対策にはならないため注意が必要です。
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相続によって不動産を取得した場合は、基本、不動産取得税は課されませんが、被相続人からの贈与となる場合は、課税対象になることを前章で解説しました。
では、少しでも税金を抑える方法はないのでしょうか。
そこで最後に、不動産取得税を軽減、もしくは回避するための対策について解説します。
不動産の床面積や新築された時期などによって、不動産取得税を軽減する特例が設けられています。
新築住宅
床面積が50㎡以上240㎡以下の新築住宅は、1,200万円が控除されます。
認定長期優良住宅であれば、1,300万円の控除が受けられます。
中古住宅
床面積が50㎡以上240㎡以下の中古住宅で、昭和57年1月1日以降に新築されたものについては、新築日に応じた金額が控除されます。
控除額については、自治体のホームページでご確認ください。
宅地の場合
令和9年3月31日までに宅地を取得した場合、固定資産税評価額の1/2が課税標準額になります。
これらの軽減措置を受ける場合は、管轄する県税事務所に申告する必要があるため、忘れずに手続きをおこないましょう。
先述のとおり、特定遺贈によって不動産を取得した場合は、不動産取得税が課されます。
遺贈であっても、包括遺贈であれば課税対象とはなりません。
つまり、遺言で不動産を引き継がせる場合は、包括遺贈を選択することで、不動産取得税の課税を回避できるのです。
しかし、遺言を作成する時点で、不動産取得税の回避に関する知識を有している方は少ないでしょう。
とはいえ、被相続人が亡くなったあとに、遺言書の内容を変更することはできません。
したがって、不動産の遺贈については、特定遺贈ではなく包括遺贈を選択するよう、被相続人が元気なうちに家族で話し合うと良いかもしれません。
もしくは、不動産を相続しても活用する方がいない場合や、遺産分割で揉めそうな場合は、相続が発生する前に不動産を売却し、現金化しておくことをおすすめします。
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不動産取得税とは、売買や贈与などによって不動産の権利を取得した際に、一度だけ納税しなければならない税金です。
相続による取得は課税対象ではありませんが、相続が発生したことによって効力が生じる死因贈与や特定遺贈の場合は、不動産取得税が課されます。
包括遺贈を選択することで課税を回避できますが、被相続人が亡くなったあとに、だれも住む予定がないのであれば、不動産を売却して現金化しておくことをおすすめします。
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